いい文章には型がある

どんな本?

代々木ゼミナールで国語および小論文の講師を10年以上つとめた吉岡友治さんによる、文章の3つの型(ストーリー型・主張型・直感型)の読み方と書き方に関する本。

2013年3月発行。

所感

文章の書き方を学ぶというよりは、読み方を学べる本。

文章には3つの型があり、当然それぞれの型によって読み方、書き方が変わる。

3つの型とは

①主張型→問題に対する解決=意見文

意見を述べるからには、他の人を「なるほど」と納得させねばならない。

そのためには「問題」+「解決」+「根拠」の3つの要素が必要

主張型文章が書けないという人は「意見がない」の前に「問題」が分かっていないということになりますね。

②ストーリー型

いつ、どこで、誰が、何をして、どうなったか、というスタイルで、ある具体的な場に含まれる要素が、時間とともにどう変化していくかを表現したもの。

現実に起こったことが題材ならルポや歴史

非現実のことなら、小説や劇

「面白さ」を語るにはストーリーの把握が第一歩。

③直感型

随筆・エッセイと呼ばれる文章。

エッセイの展開=個人的体験→感想への共感→普遍的思考

体験に即して発想しながらも、その発想は体験を離れて一般化する。これが、随筆の本質的な仕組みなのである。

このように文章を3つの型に分けて解説しています。

「いい文書には型がある」というタイトルだったので、「型をマスターすることで良い文章が書けるようなる」という本かなと思って手に取ったのですが、文章の書き方の本というよりは、読み方の本と言えます。

主張型文章はすべてを読む必要はない。

言いたいことを理解するだけだったら、問題と解決だけ読めば足りる。

ストーリー型文章は、太宰治の「人間失格」を題材に、面白さを人に伝えるために必要なストーリー分析のやり方を説明しています。

直感型文章は「体験・感想・思考の三点セット」という型を知っておくことで、読みやすくなるでしょう。

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小説を読んだり、映画を観たときに、「感動した」「面白かった」と思っても、なかなかうまく人に伝えられないことがあります。

そんなときに、「いつ、どこで、誰が、何をして、どうなったか」というストーリー分析をすることで、自分の頭の中も整理されて、感想を人に伝えることもできるようになる気がします。

ピックアップ

●通常の文章指南本には、細かな指示が多すぎる。

●「が」と「は」の使い分けとか、読点の打ち方とか、さまざまな規則が山のようにある。

●しかし、文章はそんなに細かな規則に縛られるものではない。ルールの数はほんのちょっと。ただ、どんなときにでも、そのルールを適用できねばならない。

●文章は典型的なアウトプット型知識であり、交通規制のようなインプット型知識ではない。

●この本では、文章の型を三つにざっくりと分ける。主張型・ストーリー型・直感型。

●「人間失格」のストーリーを分析する

いつ・・・主人公の子ども時代から青年時代の終わりまで

どこで・・・故郷青森および東京

だれが・・・地方の名家出身の男、葉蔵

何をして・・・様々な女性と関わって(ときには憤死も試みて):下宿の娘→カフェの女給ツネ子→雑誌社に勤めるシヅ子→たばこ屋の娘ヨシ子→薬屋の奥さん→女中テツ

どうなった・・・破滅した(薬物中毒になって、俳人同様に幽閉された)

このように整理するだけでも、いろいろなことがわかってくる。

なぜ、女たちが主人公にこれほどやさしいのか?

なぜ、相手してくれる女たちが次々に現れるのか?

●実は、主張型の文章は全部を丁寧に読む必要はない。同じ内容が繰り返し書いてあるので、言いたいことを理解するだけだったら、問題と解決だけ読めば足りる。

●自分の得意な文体は自由に選ぶことは出来ず、むしろ生得のものだろう。努力が有効なのは、生得の能力に磨きをかけることぐらいだ。

●随筆の構造とは、体験・感想・思考の三点セットである。

エッセイの展開=個人的体験→感想への共感→普遍的思考

体験に即して発想しながらも、その発想は体験を離れて一般化する。これが、随筆の本質的な仕組みなのである。

目次

まえがき 文章は自由に書けるか?
第一章 主張型文章の型
第二章 ストーリー型文章の型
第三章 直感型文章の型

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