自分の時間を取り戻そう

どんな本?

大人気社会派ブロガーちきりんさんが、生産性の低い日本の現状をバシッと切って、生産性の本当の意味と生産性の高め方を述べた本。

2016年11月発行

具体的には次のような内容などが書かれています。

■生産性の概念は仕事だけに限らない

■生産性とは○○と○○の比率のこと。

■高生産性社会にシフトする意味

■学校教育の価値は?

■議論がかみ合わない理由とは?

■地方活性化のためのもっとも生産性の高い支援方法は?

■アマゾンやアップル、グーグルなどのグローバル企業が税金をできるだけ圧縮したいと考える理由

■グーグルと日本政府、生産性はどちらが高い?

■仕事の価値がマイナスの人

■ベーシックインカム制度が社会の生産性を高める?

■若者がテレビを観なくなっている本当の理由

■生産性を高めるための意識

■間違った生産性の高め方

■アパレル店舗がオンラインショップに勝つには?

■生産性を上げるための鍵は○○を制限すること

所感

彼女の著書「自分のアタマで考えよう」という本をたまたま見つけて衝撃を受け、そこから、ちきりんさんのブログ「Chikiinの日記」のファンになりました。

本書は生産性について、ちきりん節が炸裂しています。

何が面白いって、ものを見るフィルターが面白い。

四次元から意見が飛んでくるような感覚です。

例えば、本書でもっとも衝撃を受けたのが

「ベーシックインカムが社会の生産性を高める」という主張。

社会にマイナスの価値を与える人には、生活できるだけの保障(ベーシックインカム)をするので、どうか仕事をしないでください。そのほうが社会の生産性が上がります、ということです。

どういうことか?

あなたが勤務する会社にも、給料泥棒と言いたくなるような人がいるかもしれません。

会社から言われたことしかやらない、言われたことすらできない、会社にただいるだけの人間。

このような生産性ゼロで無害なだけならまだしも、人の仕事を邪魔するやつもいるかもしれません。

出世のために他人を攻撃して貶めたり。

もっと広い視点で見ると、日本の農業政策に見られる意味のない(政治家にとっては票を取るために意味のある)規制を作るような人間。

これらの人間は社会に対してマイナスの価値を与えていると断じます。

確かに、働かない農家を守るような規制がなくなれば、有意義な競争が起こって業界の生産性は高まるでしょう。

こういう社会にマイナスの価値を与える人には、生活できるお金をあげて、働かないようにしてもらおうということです。

●生産性の低い人はどこかの段階で「あなたは働かなくていいです。あっ、もちろん生活費はお渡しします」と言われる時代がやってきてしまう。

こんな時代が本当に来るかもしれません。

フォーブスか何か忘れましたが、今後なくなる仕事というのが特集されたことがありました。

仕事がなくなるだけではなく、「お願いだからあなたは働かないで」と言われる屈辱を受けないように、生産性の高い人間になるしかありません。

********

誰かと議論をしていて、こいつとは話がかみ合わないなあ、反論すればするほど、本筋から外れていっているということがあります。

その理由というか、こういうときにどう対処すればいいのかわからなかったのですが、この本にヒントがありました。

それが次の記述です。

●価値の絶対量で善し悪しを語る人と、生産性の高低でその是非を判断する人が混在しているため、両者の意見はまったくかみ合わないのです。

例えば、学校教育。

ちきりんさんは「今の学校教育はダメ」とよく言われるのですが、それに対する反論が当然やってきます。

その反論をながめながら、ちきりんさんは考えます。

●反論はすべて「学校教育の価値はゼロより上である」という意見なのです。私はそれに反対するつもりはありません。学校教育の価値は、間違いなくゼロより上だと思います。でも私の主張の元になっているのは、その価値を得るために投入される希少資源と得られた価値の比率、つまり生産性なのです。

●ある人が「生産性という観点から意味があるかどうか」を語っているのに対し、それに反論する人は「価値がゼロより上かどうか」だけに注目している、ということはよくあります。

これを読んだとき、「そうか、議論のレベルがかみあっていないのか」と大きく何度も首を縦に振っていました。

ピックアップ

●本来の意味での生産性とは、仕事だけでなく家事から育児、趣味からボランティア、勉強に人付き合いからコミュニケーションに至るまで、生活のあらゆる場面においてその成果を最大化するための鍵となる概念なのです。

●生産性とは「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことです。ここでは、「希少資源がどの程度、有効活用されているかという度合い」だと考えて下さい。

●たった1時間ほどの、しかもいつ発生するか事前にはわからない隙間時間や、自分が住んでいる家の空き部屋などという中途半端なものまでが有効活用され始めたのは、つい最近のことです。

●反論はすべて「学校教育の価値はゼロより上である」という意見なのです。私はそれに反対するつもりはありません。学校教育の価値は、間違いなくゼロより上だと思います。でも私の主張の元になっているのは、その価値を得るために投入される希少資源と得られた価値の比率、つまり生産性なのです。

●ある人が「生産性という観点から意味があるかどうか」を語っているのに対し、それに反論する人は「価値がゼロより上かどうか」だけに注目している、ということはよくあります。

●地方活性化のためのもっとも生産性の高い支援方法とは、本当に地方に補助金を配ることなのでしょうか?

●価値の絶対量で善し悪しを語る人と、生産性の高低でその是非を判断する人が混在しているため、両者の意見はまったくかみ合わないのです。

●アマゾンやアップル、グーグルなどのグローバル企業が税金をできるだけ圧縮したいと考えるその根底には、「自分たちのほうが国家組織よりもお金の使い方に関する生産性が高い」という自負があるのかもしれないと思えるのです。

●グーグルが1000億円を自分たちで人工知能やゲノム解析や自動運転車の研究開発に使うのと、アメリカ政府に納税して無人攻撃機や爆弾代として使われたり、日本政府に納めて地域再生の資金としてバラまかれたりすることを比べたら、お金という資源の生産性はどちらが高いでしょう?

●実は今、働いている人の中には、その仕事の価値がゼロ以上の人と、マイナスの人がいます。

たとえば生産性の低い産業を守るために余計な規制を作っているような人―こういう人は働かないでいてくれたほうが、社会全体に生み出される価値が大きくなります。

●生産性の低い人はどこかの段階で「あなたは働かなくていいです。あっ、もちろん生活費はお渡しします」と言われる時代がやってきてしまう。

●ベーシックインカム制度を導入したとき、そういう(働くことで社会にマイナスの価値を出している)人の一部でも「働かなくても金がもらえるならオレは働かない!」と考えてくれるなら、社会全体としてはそのほうがトクになります。

●テレビ番組を観る若者が減っているのも、頭出しもできず、自分の空き時間にサクッと観ることもできない、あまりに生産性の低い(時間という希少資源を有効活用するどころか、視聴者の貴重な時間を無駄にする)システムだからです。テレビを観る人が減っている理由を「番組がおもしろくないから」などと考えるのはまったく当たっていません。

●「体を速く動かすこと」が生産性の高い働き方だと思っています。たとえば、眼球を速く動かして書類を(10分ではなく)5分で読むとか、指を速く動かして、資料を(1時間ではなく)40分でタイプするのが、生産性の高い働き方だと思っているのです。

●「今、自分が手に入れたいモノを手に入れるための、もっとも生産性の高い方法はなんなのか?」と問い続けていれば、なにをするにも生産性がどんどん高くなります。

●ひとつのことに集中せず、脈絡なくいろんなことに首を突っ込む人について、「生産性が低い」と考える人がいますが、それは誤解です。生産性とは集中度のことではありません。生産性とはあくまで「自分が手に入れたいもの」をいかに少ない投入資源で手に入れられたか、という指標です。

●「他の人を犠牲にして自分の生産性を上げる」のは、正しい生産性の上げ方ではありません。なぜなら、そんな生産性の上げ方は、長くは続けられないからです。

●正しい生産性の上げ方とは、資源を今より有効に活用し、得られる成果(価値)の総量を増やすことです。

●「今いる組織への最適化」を最優先に考えてしまうと、生産性を上げるというインセンティブがまったくなくなってしまうということです。

●もし実店舗の店員さんがオンラインショップでは得られないレベルのアドバイスをできていれば、顧客はネットショッピングには流れません。「試着ができる」「記事の風合いがわかる」ぐらいしか実店舗で購入する価値がないから、「返品可能」となった通販に負けてしまうのです。

●時間に関して有限感を持つには、ちょっとした工夫が必要です。

●貴重な資源をなにに使うのがもっとも生産性が高いのか、それがわかっていないと、お金の生産性を上げることはできません。

●大事なのは無駄遣いを減らすことではなく、価値ある支出を増やすことなのだということを忘れないようにしましょう。

●私のTo Do List(やるべきことのリスト)は、
・頭が動くときにしかできないTo Do List
・頭が動かない時間でもできるTo Do List
のふたつに分かれています。

●手に入れたいものが違う人にとっては「生産性の高い方法」も異なるということです。だから誰かが勧める「生産性の高いやり方」をそのまま真似しても意味はありません。その人が手に入れたいものとあなたが欲しいものは、同じように見えても実はまったく違うかもしれないからです。

バックパッカーが欲しい物は、「自分の力でどんな国でも旅行できるという実証」であって、「安く旅行すること」ではない。

●生産性を上げなければと真剣に考えるのは、「そうせざるをえなくなった人だけ」なのです。

●「投入する時間を制限する」ことが、生産性を上げるための鍵であることは間違いありません。

●日本には「手足を動かしている状況を高く評価する」という妙な風潮があります。

●額に汗して何時間も必死で手作業を続ける人のほうがエライ(あるべき姿)と思われるような環境下で長く過ごしてしまうと、生産性の重要さはなかなか理解できません。

●時間で勝負するような仕事、時間さえかければ終わるような仕事からはさっさと脱出しなければならないということです。

●ヤフージャパンが週休3日制を検討していると報じられました。これはすべての社員が「今は月曜から金曜まで5日間かけてやっている仕事を4日間で終えられるよう、生産性を上げよ」と求められているということです。

目次

序 「忙しすぎる」人たち
1 高生産性シフトの衝撃
2 よくある誤解
3 どんな仕事がなくなるの!?
4 インプットを理解する 希少資源に敏感になろう
5 アウトプットを理解する 欲しいモノを明確にしよう
6 生産性の高め方① まずは働く時間を減らそう
7 生産性の高め方② 全部やる必要はありません
8 高生産性社会に生きる意味
終 それぞれの新しい人生

Amazonでチェックする